晴耕雨読

日々の晴耕雨読の履歴です。

応力と材料強度

応力とは、単位面積あたりに掛かっている荷重になります。

単純に棒を引っ張った場合は、掛かっている力を棒の断面積で割った値になります。

 

材料は、この応力が一定の値を超えた場合に壊れます。棒を引っ張っている場合は千切れるということになります。

この値がいわゆる材料の強度で、そのまま材料強度と呼びます。強い材料とは、この値が高い材料になります。

 

同じ木でも、太い場合は大きな力を掛けても千切れることはありません。一方で細い場合は小さな力で千切れます。太さによって耐えられる力はことなります。

が、千切れるときは、掛かっている力を断面積で割った値は同じ値になっています。

これは、当たり前のようですが、重要な発見ともいえます。

 

上記のように、単純に引っ張った場合はわかりやすいですが、曲げた場合は、棒の断面の中で応力が一様ではなくなります。

棒の両端をつかんで下側に曲げる場合では、棒の上側が引っ張られて、下側が圧縮されます。引っ張られる場合の応力を引張応力、圧縮される場合の応力を圧縮応力と呼びますが、そして上側の引張応力が材料強度に達した時点で棒は折れます。

 

材料強度に達したかどうかで判定されますので、引っ張った場合も、曲げた場合も、破壊が始まった部分の応力は同じ値になっています。

ちなみに捻じった場合も同じです。

これは、結局部材がどのような力を受けていたとしても、部材内部の応力を求めれば壊れるかどうか、どこから壊れるか、の判定ができるということを意味します。

 

材料力学は、この受けた力にたいして、部材内部の応力がどうなっているかを求めるのが最大の目標になります。

 

なお、ある部材が壊れる、破壊したということは、材料力学の世界では、荷重に耐えることができなくなった状態を言います。

荷重に耐えるとは、言い換えると荷重を伝えることができるということであり、さらには部材としてつながっていると言うこともできます。

一見当たり前のようですが、例えば、鉄の棒を大きく曲げて、元の形に戻らなくなった場合は、日常的には壊れるという言い方をすることもあると思いますが、材料力学上はこれは、永久変形しただけで、破壊したとはいいません。

また、円柱を押しつぶしていく場合も、形が変わってしまっても、まだ押せる、つまり荷重を掛けることができる場合は、破壊したとはいいません。