よく混同される、「強度」と「剛性」ですが、それぞれ全く異なる性質です。
強度は、材料が破壊してしまうまでにどれくらいの力に耐えられるかを示します。
剛性は、ある力を加えたときに、どれくらい変形しにくいかを示します。
つまりイメージで言うと、
強度は高いが剛性が低い材料とは、曲げるとすぐ曲がるが、なかなか千切れないゴムのような材料。
剛性は高いが強度が低い材料とは、全然曲がらないが軽い力でぽっきり折れてしまうガラスのような材料ということになります。
ただし、ややこしいことに、強度は材料の種類によって一つの値しかありませんが、剛性は、材料の種類とモノの断面によって決まります。
鉄の強度は一つの値しかありませんが、鉄の剛性と言われても一つの値には定まりません。剛性は、材料自体の変形しにくさとモノの断面の面積や形の掛け算で決まります。
さらに、材料自体の変形しにくさは「弾性」と呼ばれます。これは材料の種類によって一つの値しかありません。モノの断面の面積はそのまま「断面積」です。モノの形は「断面二次モーメント」と呼ばれます。
ちなみに、材料が破壊するとは、力を掛けると分離してしまい、それ以上の力を掛けられない状態を言います。もう少し専門的には、荷重を伝達できなくなる状態を言います。
当たり前と言えば当たり前のようですが、ある程度の力で引っ張ると千切れることはなくても、ぐにゃっと変形してしまうようなこともあり、厳密な定義は意外と難しいものです。
さて、DIYの世界では「壊れる」と一言で言ってしまっても、いろいろな壊れ方があると思いますが、設計の際には、どんな壊れ方が想定されて、それは強度が不足しているのか、剛性が不足しているのか、を見極めることが重要になります。